“映える”は誰のためか? 巨大バーガーとパチンコ筐体の共通点

あるホール企業では、社長と社員が直接意見を交わす「昼食会」が定期的に開かれている。年間およそ20回、参加者はその都度入れ替わり、1回あたり10名前後。現場の声を吸い上げることを目的とした、いわば“本音の対話の場”だ。

特徴的なのは、会場選びを社員に任せている点にある。今回選ばれたのは、背の高いハンバーガーで人気の店だった。いわゆる“映えるバーガー”を売りにした話題店だが、参加者の誰一人として訪れた経験はなかった。

写真はイメージ

運ばれてきたハンバーガーは、想像以上のインパクトだった。分厚いパテが幾重にも重なり、写真に収めれば確実に目を引く。しかし、その瞬間、全員の手が止まった。

「これは、どうやって食べるのが正解なのか?」

見た目の迫力とは裏腹に、実用性が追いついていない。そこで社長が店員を呼び、食べ方を尋ねた。答えはシンプルだった。「上から押しつぶして、かぶりついてください」。

しかし、社長の疑問はそこではない。

「食べにくいのに、なぜわざわざこんな形にするのか?」

すると、店のオーナー自らが姿を現し、その理由を語った。

「“映え”なければ話題にならないし、お客さんは来ない」

この昼食会のメンバーがホール企業であることを知っていたので、こう付け加えた。

「パチンコの筐体も同じではないですか?」

この一言に、その場は笑いに包まれた。だが同時に、核心を突いた指摘でもあった。

後日、社長はメーカーの営業担当に同じ問いを投げかけた。

「筐体を巨大化し、派手な装飾を施すのは、誰のためなのか?」

ユーザーか、ホールか、それともメーカー自身か。営業担当は答えに窮し、明確な返事ができなかった。本音は言えなかったのかも知れない。

社長の結論はシンプルだった。

「SNSでパチンコの筐体が話題になっているのを見たことがない」

つまり、見た目の派手さは必ずしも集客に直結していない。むしろ、それはメーカー側の論理や自己満足に近いのではないか、という疑念である。

巨大バーガーも、派手な筐体も、“目立つこと”を目的とした点では共通している。しかし、そこに「使いやすさ」や「楽しさ」が伴わなければ、本質的な価値にはつながらない。

映えることと、選ばれることは違う。その当たり前の事実を、昼食会の巨大ハンバーガーが静かに教えていた。

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🔗 元記事を読む(パチンコ日報)