20年後のパチンコ業界は壊滅。回避する最後の選択とは
ある業界企業が、大手シンクタンクに依頼して10年、20年先を見据えた長期予測を行った。対象はパチンコ業界の将来動向、経済環境、景気の影響などである。パチンコは日本独自の娯楽であり、海外市場のようにグローバルデータを基にした精緻な分析は難しい。
それでも報告書が示した結論は、関係者にとって衝撃的なものだった。
現在のような「高射幸性・高コスト体質」を維持したまま進めば、20年後、パチンコ業界は完全に消えてはいないものの、壊滅的な状況に陥っている可能性が高い、というのである。
かつて「パチンコは不況に強い」と言われた。景気が悪くても客足が落ちないという意味だ。しかし、それは昭和の時代の話だ。当時は娯楽の選択肢が限られ、家庭にインターネットもスマホもなかった。暇つぶしの手段として、街角のパチンコ店が機能していた時代の格言に過ぎない。スマホ1台で無数の娯楽が手に入る現代において、その常識は完全に崩れている。
では、20年後の「壊滅的状況」とは具体的にどのような姿なのか。報告書の試算では、ホール軒数は約3900店まで減少する。遊技機メーカーはパチンコとスロットを合わせても7社程度しか残らない。ホール数がここまで減れば市場規模も当然縮小し、限られた市場をわずかなメーカーが奪い合う構図になる。業界全体の体力は、現在とは比較にならないほど弱体化しているだろう。
さらに衝撃的なのは、その先の予測だ。30年後には業界そのものが消滅している可能性がある、という分析結果が示された。
もちろん、これはあくまで現状が続いた場合のシナリオに過ぎない。しかし、逆に言えば、今の延長線上に未来がないことを示しているとも言える。
では、業界が30年後も生き残るためには何が必要なのか。報告書は「薄利多売型への転換」を一つの方向として示唆する。
新規ユーザーが気軽に遊べる消費水準は、1時間あたり約4000円が限界だという。つまり、「4000円使ったけれど楽しかった」「もしかしたらお金が増えるかもしれない」――その程度のライトな期待感を提供する娯楽へと、大胆にグランドデザインを変える必要がある。
もう一つの鍵が、ネットとパチンコの融合だ。スマホは、今や人々の生活の中心にある。買い物、ゲーム、動画視聴、コミュニケーションなど、ほとんどのことが手のひらの中で完結する。
一方でパチンコは、わざわざホールに足を運ばなければならない。この移動の壁をどう乗り越えるかが課題になる。
例えば、来店して遊技台とスマホを連動させ、遊技を通じてスマホゲームのアイテムや特典が手に入る仕組みがあれば、若年層の来店動機になる可能性がある。リアルな遊技体験とデジタル娯楽を結びつける発想だ。
しかし現行の風営法では、こうした仕組みの導入は難しい。だからこそ、業界が求めるべき規制緩和は「射幸性を高めること」ではない。新しいユーザーを呼び込むためのこうした制度改革である。
未来は、ただ待っていても訪れない。業界が変わらなければ、予測は現実になる。20年後の壊滅を回避できるかどうかは、この調査報告を業界を挙げて実行するかどうかにかかっている。
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🔗 元記事を読む(パチンコ日報)