灰の街とシャトル夢

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あの日空が燃えてた 赤く染まるビルの窓
誰もが知ってた この街に明日はないことを
パチンコ屋の屋上に 錆びついた夢があった
USAと名乗るその塔に 最後の翼が眠ってた

さあ飛び立て 偽りの英雄よ
燃える街を背に 旗を掲げろ
誰のための空かなんて どうでもよかった
生き延びることが 唯一の使命だった

権力者のスーツが揺れた 瓦礫の影を踏みしめて
民衆の叫びも エンジンの音にかき消された
愛も夢も置いてきた この国の片隅で
彼らは選んだんだ 自分だけのあしたを

さあ飛び立て サビついた約束と
崩れたビルの上で 嘘を燃料にして
正義の形なんて 見失っていた
ただ逃げることが 唯一の答えだった

「USA」――それは夢の名残
バブルの幻 空に残った亡霊
もう誰も笑わない もう誰も戻らない
ただひとつ、シャトルだけが知ってる――

遠く小さくなる街 焼け野原と夕暮れ
僕らは見上げた 誰の姿もない空を
残された民の中に 希望はまだあった
壊れた街に咲く花が 新しい時代を告げた

さあ歩こう この焦土の上でも
誰かが逃げても 僕らはここにいる
錆びた塔の下で 新しい歌を
今この場所から 未来を描くんだ

USAの塔の上 飛び去ったシャトルよ
残された者の声は 風に消えてゆく

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