88歳ホール創業者がピザ配達員に渡したチップ5万円はパチンコ代だった

ピザ屋で配達のアルバイトをしているAくんは、最近立て続けに“強烈な客”に遭遇した。

まずは軽い小ネタから。

ある日、老夫婦宅へピザを届けた直後、店にクレームの電話が入った。

「具材が載っていない!」

店としては放置できない。Aくんは同じ商品を持って謝罪に向かった。

すると、現場を見て思わず唖然とした。

確かに具材が見えない。しかし理由は単純だった。老夫婦は、ピザの箱を“裏返し”にして開けていたのだ。つまり、箱の底側を上にしてフタを開けているため、ピザは当然ひっくり返り、具材は下にあるわけで見えない。

なぜ、わざわざそんな開け方をしたのかは最後まで謎だった。

――これはまだ序章である。

本題は、その数日後だ。

Aくんは、11枚ものピザをある豪邸へ届けた。中では20~30人ほどが集まり、盛大な誕生日パーティーが開かれていた。

主役は88歳のおじいちゃん。

配達を終え、「ありがとうございました」と帰ろうとしたその時だった。

おじいちゃんがAくんを呼び止め、「これで店のみんなでパチンコでも打ってくれ」と5万円を手渡した。

話を聞けば、そのおじいちゃんはホール企業の創業者。今は息子へ経営を譲り、自身は豪邸で悠々自適の生活を送っている。まさにパチンコで財を成した世代だった。

しかし、その創業者が最近痛感しているのが、業界の衰退だという。

遊技人口は減り続け、若い世代はパチンコに触れなくなった。だからこそ、「少しでも興味を持つきっかけになれば」という思いで、Aくんへチップを渡したのだった。

「頼むから一度打ってみてくれ」というメッセージに受け取れた。

Aくんは5万円を独り占めすることなく、店へ戻って事情を説明した。そしてマネージャー判断で、スタッフ全員へ山分けすることになった。

ところが、店には20人以上のスタッフがいた。

結果、1人当たりの取り分は2000円少々。

「これじゃパチンコ打てないよな……」

店内は苦笑いに包まれたという。

実際、今のパチンコは気軽に遊べる娯楽ではなくなって久しい。

数千円で遊べた昭和の時代とは違い、今や5万円あっても安心できない娯楽に成り下がっている。

皮肉なのは、88歳の創業者が善意で配った5万円が、パチンコ体験への入口としては足りなくなっていることだ。

かつては庶民の娯楽だった。

しかし今は、「遊んでみよう」と気軽に言えない金額感になっている。

業界が失ったのは、客だけではない。

「ちょっと打ってみるか」と思える気軽さそのものなのだ。

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🔗 元記事を読む(パチンコ日報)