玉より卵ともやし?ホール企業が選んだ“堅実すぎる”転身先

北関東のあるホール企業が、鶏卵業者のM&Aを皮切りに、もやし製造業者まで買収した結果、本業であるホールの利益を大きく上回っている――そんな情報が漏れ伝わって来た。

一見すれば意外な組み合わせだが、背景にはそれぞれの業界が抱える構造的な問題がある。

まず鶏卵業界は、鳥インフルエンザによる大量殺処分の影響からの再建負担に加え、飼料価格や燃料費の高騰が直撃。さらに現場を支えてきたベテランパートの高齢化と退職が重なり、人手不足は深刻さを増している。若年層の確保も難しく、慢性的な人材難に陥っているのが実情だ。

その結果、事業を手放したいというオーナーも少なくない。譲渡価格は規模にもよるが、500万円程度から3億円超まで幅があり、中には4000万円で年商2~3億円規模の企業を取得できるケースもあるという。

年間で億単位の機械代を投じるホール経営と比べれば、リスクとリターンのバランスはむしろ“堅実”に映る。

一方、もやし業界はさらに厳しい。「物価の優等生」と呼ばれるほど低価格が長年維持されてきたが、その裏側では利益が出にくい構造が固定化している。

原材料費や水道光熱費、物流コストが上昇しても価格転嫁が難しく、生産コストが売価を上回るケースすら珍しくない。結果として、2009年に約235社あった生産業者は、現在では100社を大きく下回るまでに減少している。

それでも、このホール企業のオーナーは「まだホールよりまし」と判断した。遊技人口の減少と機械代の高騰に苦しむパチンコ業界において、売上の不確実性が増す中、たとえ薄利であっても需要が安定している食品分野に活路を見出した格好だ。

かつては30兆円産業と持て囃されたパチンコ業界が、いまや卵やもやしに収益で後れを取る。この逆転現象は、業界の構造的な疲弊を如実に物語っている。射幸性に依存したビジネスモデルの限界が露呈する中で、異業種への分散投資は一つの合理的な選択肢とも言える。

もっとも、鶏卵やもやしが「成長産業」かといえば疑問も残る。いずれも厳しい価格競争とコスト上昇にさらされる分野であり、安定はしていても大きな飛躍は望みにくい。それでもなお、ホール経営より魅力的に映る現実こそが、いまのパチンコ業界の立ち位置を象徴しているのではないだろうか。

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🔗 元記事を読む(パチンコ日報)