「好き」が給料を引き上げる時代。“出る杭入社”に学ぶホール人材戦略

「家電芸人」というジャンルがある。テレビ番組で最新家電を熱く語る芸人たちの総称で、土田晃之、品川祐(品川庄司)、かじがや卓哉らが有名だ。実際に使い込んだ上でのリアルなレビューや専門知識に裏打ちされた解説が人気を集めた。単なる知識ではなく、「好きだからこそ語れる」説得力が視聴者の心をつかんだのである。

この「好きこそ物の上手なり」は、現場でも同様だ。家電好きの大学生がアルバイトで家電量販店に入り、頭角を現すケースは少なくない。中にはアルバイトでありながら部下を持ち、1カ月でエアコンを20台以上売る猛者もいる。知識だけではなく、商品の魅力を自分の言葉で伝えられる強みが結果に直結する。

この点に目を付けたのが家電量販店のノジマだ。同社は今年4月入社の新卒社員について、条件を満たせば初任給を最大40万円まで引き上げる制度を打ち出した。昨年4月入社の実績(31万7000円)と比べて、26.1%増の大幅アップとなる。

対象となるのは、1年以上アルバイトとして勤務し、高い評価を受けた学生だ。店舗運営や商品知識をすでに理解している点を「即戦力」と見なし、「出る杭入社」という新たな枠を設けた。

この動きに刺激を受けたホール企業も出始めている。アルバイト時代に実績を残した人材が新卒として入社する場合、一般採用より高い初任給を設定するという構想だ。従来の一律採用ではなく、「現場で結果を出した人材を厚遇する」方向への転換である。

というのも、ホール業界にはそもそも遊技未経験者の入社が多い。パチンコやスロットをほとんど打ったことがないまま入社し、仕事として覚えていくケースが珍しくない。中には他業種で内定が得られず、やむなく入社する例もあるのが実情だ。

しかし、遊技経験のある人材は明らかに視点が違う。客としての体験を持っているため、「どういう店なら行きたくなるか」「何がストレスになるか」を肌感覚で理解している。

その感覚は、営業戦略や売り場づくりにおいて大きな武器となる。結果として成長スピードも早く、将来の中核人材へと育つ可能性が高い。

これまでのホール業界は、人手を確保することに重きを置いてきた。しかしこれからは、「誰を採るか」だけでなく「誰をどう評価するか」が問われる時代に入る。好きで現場に入り、結果を出した人材を正当に評価する仕組みを作れるかどうか。それが企業の競争力を左右する。

「好き」が仕事になるだけでなく、「好き」が給料を引き上げる時代。ホール業界もまた、その流れにどう向き合うかが問われている。

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🔗 元記事を読む(パチンコ日報)