パチンコ版ファストパス。“並び順”を売れるのか

初めて東京ディズニーランドを訪れたホール関係者は、そこで一つの仕組みに強い衝撃を受けた。いわゆる“ファストパス”的な優先入場システムである。

人気アトラクションの待ち時間を短縮するために、あらかじめ時間指定の優先枠を取得する。最近では「時間をお金で買う」という考え方がすっかり定着している。

それを見た瞬間、ホール関係者の頭にあるアイデアが浮かんだ。

「これ、パチンコでも応用できるのではないか?」

例えば、朝の入場整理券だ。

若い番号ほど有利なのは周知の事実である。ならば、その“有利さ”を有料化できないか――という発想だ。

1番から10番までは1000円。
11番以降は900円。
20番以降は800円……。

価格に段差をつければ、「少しでも有利な番号を取りたい」という心理は確実に働く。この程度の金額なら、軍団は喜んで払うはずだ。そう踏んだ。

現場レベルでは妙にリアルなアイデアだった。
早速、店長へ相談が上がり、その話は社長の耳にも届く。

しかし、当然ながら問題はそこからである。

整理券を有料化すれば、「遊技機とは別の形で金銭を徴収して射幸心を煽っている」と見なされかねない。警察が簡単に認めるはずがない。

そこで考えたのが“大義名分”だった。

有料整理券で得た収益を、例えば子ども食堂の運営費など社会貢献活動へ回す。単なる利益目的ではなく、地域還元の仕組みにすることで、行政的な理解を得られないか――という理屈である。

企画書をまとめ、実際に所轄へ相談に行った。

もちろん、警察側もこんな前例のない相談は初めてだ。所轄レベルで即答できる案件ではなく、話は県警本部まで上がったという。しかし、それから1カ月以上経っても返答はない。

要するに、“前例がないから触れたくない”のである。

もっとも、現実的に考えれば、警察がこの手の企画を認める可能性は極めて低い。
しかし、この話が示しているのは、「アイデアの是非」ではなく、「業界の閉塞感」の方だ。

他業界では、“時間を買う”“優先権を売る”という発想がビジネスとして成立している。一方でパチンコ業界は、風営法という枠組みによって、できることが極端に制限される。

もちろん、その規制が業界を社会的に成立させている面もある。
しかし同時に、新しいサービス設計や顧客体験の工夫を阻んでいるのも事実だ。

結局、パチンコ業界は「何をやるか」以前に、
“何をやってはいけないか”から考えなければならない業界なのである。

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🔗 元記事を読む(パチンコ日報)