主治医を虜にした“10連チャン”。パチンコの本当の魅力とは何か

ホール店長のAさんは、ある日、異変に気付いた。痛みはない。しかし血尿が出る。

念のため病院で検査を受けたところ、診断結果は膀胱がんだった。

Aさんは20年前にも大腸がんを経験している。人生二度目のがん宣告だった。

幸い早期発見だったこともあり、手術は7月に決まった。主治医との距離が徐々に縮まっていった。

きっかけはAさんの職業だった。

パチンコホールの店長であることを知ると、主治医の表情が一変した。

実はその医師、自他ともに認めるパチンコ好きだったのである。月に3回ほどホールへ通うほどのファンで、診察室では病気の話よりパチンコ談義の方が盛り上がることもあった。

そして、二人はプライベートで酒を飲む仲になる。

その席で、主治医がパチンコにハマった意外なきっかけを語り始めた。

今から10年ほど前、職場の看護師と交際するようになった。

初デートといえば遊園地や映画館、テーマパークあたりが定番だろう。ところが彼女が希望した行き先はパチンコホールだった。

その後もデートコースはほぼホール一択。

彼女にとっては、軍資金を出してもらえるので、好きなパチンコを打てる夢のような時間だった。

もちろん最初の頃、主治医にはパチンコの面白さが全く理解できなかった。

演出は長い。激アツ以外はほとんど当たらない。
画面を眺めている時間は退屈で、周囲の客がスマホばかり見ている理由もすぐに理解できた。

「何が面白いんだろう」

当初は本気でそう思っていたという。

しかし、ある日を境に考えが変わる。

5連チャン。
6連チャン。
7連チャン。
そして気が付けば10連チャン。

その瞬間だった。

体の内側から何かが湧き上がる感覚を覚えた。後から考えればアドレナリンだったのだろう。

主治医はその時初めて、パチンコの本質が演出ではなく「連チャン」にあることを理解した。

一度その快感を知ってしまうと、もう忘れられない。

現在も月に数回ホールへ足を運ぶ理由は、まさにその感覚をもう一度味わいたいからだ。

酒席も盛り上がった頃、主治医がAさんに尋ねた。

「この席に家内を呼んでもいいですか?」

断る理由はなかった。

しばらくして到着した奥さんは、主治医以上のパチンコ好きだった。席に着くなり攻略法や業界の裏話でAさんを質問攻めにした。

話題は当然、大連チャン自慢へと発展した。

夫婦の中では20連チャン以上を「大連チャン」と定義している。
しかし実際には年に何度も経験できるものではない。

主治医の最高記録は12万5000発。
対する奥さんは16万発。朝の開店から閉店まで当たり続けたというから驚きだ。

そんな強烈な成功体験があるからこそ、二人は今でもホールへ通う。

医師という職業柄、自由に使えるお金も一般人よりは多い。

月に数回の遊技なら生活が破綻することもない。だからこそ純粋に娯楽として楽しめるのだろう。

そんな主治医が最後に語った言葉が印象的だった。

「当たるまでの時間が退屈なんですよ。だからみんなスマホを見る。いっそのこと、パチンコの盤面にスマホ画面を映せるようにしてくれませんかね」

冗談半分の提案だったが、今のパチンコが抱える課題を象徴しているようにも聞こえた。

ユーザーが本当に求めているのは派手な演出なのか。
それとも、連チャンが生み出す高揚感なのか。

少なくとも、この医師夫婦にとっての答えは明確だった。

彼らが追い求めているのは液晶演出ではない。あの日の10連チャン、そして16万発の記憶なのである。

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🔗 元記事を読む(パチンコ日報)