逆セクハラ。単店ホールが追い詰める逃げ場のなさ
セクハラとは、相手の意に反する性的言動によって不快感を与え、就業環境を損なう行為を指す。一般的には男性から女性へという構図が想定されがちだが、職場で起きるトラブルの実態は必ずしも単純ではない。
性的冗談、身体への不必要な接触、食事やデートの強要──これらは加害者が男性か女性かを問わず成立する。そして、男性から男性へのセクハラとなれば、当事者が抱える恐怖はより深く、相談のハードルも桁違いに高くなる。
都内のあるホールで働く主任・Aさは、まさにその渦中にいる。本来なら辞めるつもりなど毛頭ない。しかし今、彼は「退職せざるを得ない状況」へと追い込まれている。
原因は上司である店長だ。大手ホールからの引き抜きで入社し、数字を上げる敏腕タイプ。表向きの評価は高いが、Aさんより一回り以上も年下で、同性愛者。しかも彼は、気に入った男性スタッフに対して強い執着を示す過去があった。
実は店長が着任してから数人の男性スタッフが次々と辞めていった。理由は曖昧にされていたが、Aさんへのアプローチが始まったことで、その背景が“逆セクハラ”だったことが初めて浮かび上がった。
身体への距離感、個人的メッセージの連発、食事への誘い──行為は徐々にエスカレートし、無視すれば職務評価が露骨に下げられる。典型的なハラスメント構造だ。
しかし、このホールは単店ホールで、異動という逃げ道が存在しない。上司は店長一人。
さらに問題を難しくしているのは、日本社会では同性愛への微妙な温度感だ。近年LGBTQ理解は進んだものの、実際の職場で「同性からの性的圧力」を訴えるとなると、被害者側が「偏見を持つ人」だと誤解されることすらある。
「理解していないと思われたくない」
「同性愛者の立場を傷つけたと言われるのが怖い」
「自分が悪者にされるのではないか」
Aさんが相談をためらう理由は、こうした社会的視線だ。
オーナーにこの問題を打ち明けるべきなのは確かだ。しかし、店長は数字を上げる、使える人材として重宝されている。
もし訴えれば「主任が逆恨みで言っているだけでは?」と扱われる可能性もある。Aさんには守ってくれる部署も同僚もいない。孤立無援だ。
結果として、Aさんの選択肢は「辞める」しかなくなりつつある。
業界では人材不足が深刻化し、経験者の離職は大きな痛手だ。“逆セクハラ”というグレーゾーンの問題は、これからさらに表面化する可能性が高い。
性別や性指向に関係なく、「意に反する性的言動」はセクハラであり、被害者に沈黙を強いる環境こそが最大のリスクだ。
ホール企業が本気で従業員を守る気があるのか──。
今回のケースは、その姿勢が問われる典型例である。
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🔗 元記事を読む(パチンコ日報)