PL学園と遊技機メーカーの共通点
ある遊技機メーカーの幹部は、自社の現状がPL学園とダブって見える、という。かつて絶頂期を極めながら、いまや存続の危機に直面しているという点で、両者は驚くほど似通っているというのだ。
PL学園といえば、高校野球の超名門として知られ、桑田真澄と清原和博の“KKコンビ”が甲子園を席巻した時代には、全国からトップクラスの球児が集まった。
しかし現在は、運営母体であるPL教団の信者減少による財政難に加え、生徒数の激減、校舎の老朽化といった問題が重なり、廃校の現実味が増している。さらに過去の部内暴力問題によって野球部は実質的に廃部状態に追い込まれ、象徴だったブランド力も失われた。
2025年度時点では、中高合わせて計70人台の生徒数にまで落ち込み、高校野球の超名門校が、「厳しい存続危機」状態が続いている。
かつての栄光が、そのまま未来を保証しない――この現実は、パチンコ業界にもそのまま当てはまる。
学校経営は生徒数に支えられるが、遊技機メーカーはホール軒数と遊技人口に依存している。その両方が減少し続けている以上、構造的な縮小は避けられない。それにもかかわらず、業界全体の売上が一定水準を維持しているのは、単純に一人当たりの消費額が増えているからに過ぎない。言い換えれば、少ない客からより多くを取る構図であり、持続可能性とは程遠い。
まさに膨らみ続ける風船のような状態だ。いつ破裂してもおかしくない臨界点に近づいている。
その象徴が、新台価格の高騰である。現在、1台あたり50万円前後が当たり前となっているが、メーカー自身も「高すぎる」という認識を持っている。本来であれば30万円程度が妥当な水準だが、パチンコの年間販売台数が80万台の現状では、価格を下げられない構造に陥っている。
しかし、そのしわ寄せはすべてホール、ひいてはユーザーに向かう。結果として遊びづらさが増し、さらに客離れが進む――この悪循環はすでに何度も繰り返されてきた。
版権頼みの高射幸機を投入しても、状況は改善しないどころか、むしろ悪化していることはデータが示している。にもかかわらず、同じ延長線上での対策を続けている限り、未来は開けない。
では、打開策はどこにあるのか。
一つの方向性として浮上しているのが、パチンコ・パチスロとは異なる「第三の遊技機」の開発だ。風営法の枠組みに縛られない、新たなカテゴリーの創出である。
「昔はちょっとした時間つぶしにパチンコがあった。しかし今は、その役割をスマホやファストフード店が担っている。だからこそ、パッと始めてパッとやめられる新しい遊技機が必要になる」(業界関係者)
この指摘は本質を突いている。現在の遊技機は、時間もお金もかかりすぎる“重たい娯楽”になってしまった。これでは新規ユーザーどころか、既存ユーザーすら離れていくのは当然だ。
求められているのは、「ヘビーユーザー」のための進化ではない。むしろ、これまでパチンコに興味を持たなかった、あるいはパチンコアンチが「ちょっとやってみようか」と思えるような、まったく新しい体験である。
PL学園がかつての栄光に縛られ、変革のタイミングを逸したように、パチンコ業界もまた過去の成功体験から抜け出せずにいる。このまま縮小均衡を続けるのか、それとも痛みを伴う変革に踏み出すのか。
その第三の遊技機開発に本腰を入れるしか生き残り策は残されていない。
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🔗 元記事を読む(パチンコ日報)
